遠友みらい塾とは

「遠友みらい塾」発足にあたって

2014年2月にスタートした「一般社団法人 新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会」は、今年(2015年)6月に「札幌遠友夜学校創立120周年 記念誌」として3号目の会報を発行しました。
「記念フォーラム講演概要」、「作文・論文コンクール優秀作品」、「記念館建設に向けた完成予想図」、「記念館での事業計画」、などを掲載しています。これは、通算2年半にわたる当会としての活動の節目を飾るものでした。
新渡戸稲造ご夫妻から120年前に贈られた「札幌遠友夜学校」。この50年間継続された教育事業は、現代に生きる私たち一人ひとりに多くのことを今も教えてくれています。史実から学ぶことは、人それぞれに違うのでしょうが、ここで実践された活動を支えた教育理念の豊饒さは、現代にも、未来にも、多様な発展性を無限なまでに指し示しています。
この2年半は、そのような実感を当会の活動に強い関心を寄せられ、献身的なまでにご協力をいただいている方々と共有し始めてきた時期と言えます。そこへ今回、札幌との地縁浅からぬ寺島実郎さんを塾長に迎えて「新渡戸稲造記念・遠友みらい塾」の企画が実現することになりました。
「札幌遠友夜学校」創設120年となる2015年に、「新渡戸」に繋がる新たな事業がスタートできる幸運な巡り合わせを多くの方々と喜びたいと思います。
当塾は、参画する方々の自らが得意とする領域をフルに生かしながら、記念館建設に先駆けて事業展開することで、21世紀にふさわしい人材育成プログラムへの一助となることを願っています。現時点で想定される具体的活動としては、
(1)市民向け教養講座
(2)音楽
(3)町内会・地域のプログラム
(4)国際交流・世界を学ぶ事業
(5)大学などのアウトリーチ
(6)その他
等ですが、自由な環境の中で、参加される方々が互いに創発しあう場になることを期待しています。
動植物に生命の継承があり、地域社会に歴史の継承があり、人の成育プロセスに精神の継承があります。
「遠友みらい塾」の事業は、そうしたことを大切にしながら未来の世界を切り拓く活動として、多くの方々と共に歩むことを希望しています。

2015年10月
一般社団法人 新渡戸稲造と札幌遠友夜学校を考える会
代表理事 秋山孝二

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