「第15回遠友みらい塾」を開催しました。

「第15回遠友みらい塾」を、4月17日に愛生舘サロン(中央区南1条西5丁目・愛生舘ビル6F)にて開催しました。寺島塾長をお招きした今回は、新たな顔ぶれも加わり約20人が参加。テクノロジーの発展やグローバル化が加速する現代の社会状況の中で、新しい「羅針盤」を手にする必要性とその可能性について考える、貴重な機会を提供していただきました。

この日、塾長が最先端の「知」として掲げたキーワードは「デジタル専制(Digital Dictatorship)と「ジェロントロジー(gerontology)」です。「デジタル専制」という言葉は、今年1月にスイスで行われた世界経済フォーラム・ダボス会議でも使用され、世界的に注目を集めた言葉でもあります。肥大化を続けるFacebook、Apple、Google、Amazon、Microsoftをはじめ、中国のテンセントやアリババといった海外企業の動向を踏まえて、「データを支配するものがすべてを支配する」といった「データリズム」の時代に突入したことを示唆する今回のお話は、私たちが21世紀という時代とどのように向き合うべきなのかを考えさせられる、興味深いお話でした。

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塾生に向けて話をする寺島塾長

たとえばそのひとつの重要な観点は、データが統計的な数値としてだけではなく、体内や脳内のデータ化が、人間の思考や感情をも決定するメカニズムやパワーを帯びている可能性があることです。「この現実をどう考えるのか?」と問いかけ続ける塾長のお話は同時に、21世紀の日本を考えていくことの重要性を強く訴えかけるような内容でもありました。

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顔の見える距離感の中での開催となった「遠友みらい塾」の様子

 そして後半は、「ジェロントロジー」という言葉を軸とした、世帯構造の変化についてのお話です。辞書では「老年学」と翻訳されることが多いこの言葉ですが、ここで塾長が強調したのは、その言葉に付与されているネガティブなイメージをもとにした高齢化の議論の限界性と、その言葉をポジティブにとらえることで見えてくる新たな可能性です。言い換えるならばそれは、既存の「知」をもとに「高齢化」をとらえるのではなく、高齢になっても参画できる社会システムをつくるといった発想の転換をもとにした新たな「高齢化」の捉え方です。「分断」ではなく「包摂」を基軸に据えることでみえてくる新たな可能性についてのお話は、世代や立場の違いを超えて同じ問いや意識を「共有」していこうという理念のもとで活動を継続している、同塾への励みのメッセージにもなる貴重なお話でした。

 最後は、参加した塾生たちが、現在の活動状況を報告。「第二回INAZOサミット」を9月に岩手・花巻市で開催する予定であることをはじめ、資源ごみのリサイクル活動の報告など、この日の感想を交えながら参加者全員で意見交換を行いました。

次回の開催につきましては、詳細が決定次第ホームページ等でお知らせさせて頂きます。みなさまのご参加をこころよりお待ちしております。

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